仕事中にタクシーを拾った、はずだった。気が付けば真っ黒な暗闇を突き進んでいるタクシー。そして初老の運転手は言う。「人生で一番楽しかったことは何ですか?」 俺はこのタクシーの行先を知らない。
“妖精さん”は雨が降ると決まって僕の前に姿を現した。そして優しい声で「分かってるでしょ」と言う。その言葉の意味も僕自身のことも、僕は何も分かっていなかった。
その雪は、本当の気持ちを映し出してくれた。空から降る本音に、僕は向き合えたのだろうか。
『女の幽霊が出た』 そう噂された教室へ、僕は真夜中に足を運ぶ。暗闇の教室で、ぷつんと切れた初恋の糸を、僕はやっと見つけた。
1日に1回だけ、その時間は突然訪れる。そして眩しさに慣れないまま、僕と君は離れ離れになるんだ。
彼女は僕が弾くピアノの音が好きだ。だから毎日、僕らは昼ご飯を音楽室で食べる。
今日の終わりに僕は思う。「明日はどんな君に会えるんだろう」
“好きがもっと好きになる”瞬間を超短く小説にした。【140字の超短編小説3本入り】
“下手くそな片想い”の瞬間を超短く小説にした。【140字の超短編小説3本入り】
変わらない毎日に疲れた白井は、バーで“夢を売る男”に出会う。欲望を満たすことを金で買い続けた白井の毎日は、180度の変化を遂げる。【後編】